18カラ~ノ

その7

20才〈大学2年〉女子のリアルボイス

2018.11.27

こども達の生きる力を育む、キッザニアの実態に迫る。

日本の未来を担うこども達に向けて、キャリア教育を軸とした“エデュテインメント”事業を展開しているキッザニアへの取材を実施。キッザニア ブランディング部の鈴木さんと岩下さんにお話を伺いました。

2018.09.05訪問

キッザニアの活動内容

学びと楽しさの融合、“Edutainment”

<事業概要>
キッザニアは教育とエンターテインメントを融合した“Edutainment”をテーマに事業を行っています。 このキッザニアには、現在約100種類のアクティビティがありますが、ただ「楽しく学習」するのではなく、 楽しさの中に「学び」や「気づき」があるものと捉え、こども達にはまずキッザニアで楽しく遊んでもらい、 そして体験の中で何かを学んでくれることを目的として事業を展開しています。 アクティビティは、体験を通じてこども達が成長できるようシナリオを作成しています。

キッザニアの事業には、どのような特色がありますか?

キッザニアでは、一般のお客様以外にも小・中学校など学校単位でのご利用もいただいております。例えば、修学旅行で学習の一環として、キッザニアにお越しいただくというケースです。
ただ楽しいだけで終わらないよう、こちらから「キャリア教育実践プログラム」というワークシートをお渡しし、来場前には事前学習、来場後には事後学習ができるような提案も行っており、職業観の形成に役立ててもらえるようにしています。

私たちの事業活動は「キャリア教育」という側面があります。私たちは「キャリア教育」を“生涯発達”という視点で捉えるべきだと考えています。
また、昨今では“発達”は予想可能な直線状のものではないとも言われています。今後の社会において“不確実性”を避けて通れない中、挫折を乗り越えてこそ、自身の得意不得意が感じられると考えます。それらが、こども達の成長や発達に役立つと考え、様々な活動にも生かしています。

既存施設のほかにもさまざまな活動を行っているようですが、どんな活動をされているのですか?

一つは「Out of KidZania」です。これはキッザニアの街を飛び出して、こども達に「よりリアルな体験をしてもらいたい」という思いから始まった活動です。
例えば、日本ハム様とのプログラムでは、北海道日本ハムファイターズの鎌ケ谷スタジアムで仕事体験を行いました。選手の食事を支える栄養士やトレーナーなど、球団に関わる方々との対話や体験を通じて、選手だけでなく裏で支える様々な職業を知る機会にもなったと思います。
その他にも、自治体と協力して、地元の職業体験を通じて、地域の職業を知り、こども達がその職業を目指すキッカケになるような取り組みも行っています。

北海道日本ハムファイターズ・鎌ケ谷スタジアムでの仕事体験

もう一つは「ハイスクール・インターンシップ」です。これは日本の高校生を対象としたプログラムで、キッザニアシンガポールまで行って、現地のスタッフと一緒にキッザニアで働きながら、実際に来場してくる地元のこども達にアクティビティ体験を提供するプログラムです。「国際力」「人間力」「英語力」を育むために実施しているプログラムで、社会のグローバル化が加速する今、これらの力を養ってもらいたいと思って始めたプログラムになります。

ハイスクール・インターンシップ

こちらのお話を聞いて一つ思い浮かんだのが、アメリカでは「ジョブシャドーイング」というキャリア体験プログラムが一般的にあるようです。例えば、女性の社会進出が進んでいるアメリカで、働いている女性を間近に知る機会として、日本の女子高生が現地へ赴いて体験するプログラムです。この方法は「Out of KidZania」や「ハイスクール・インターンシップ」とも通じるものがあるように思います。


<18カラ~ノ、>が考える今の若者に見られる特徴

何事も自分なりにリスクヘッジをして生きる若者「安全圏チャレンジャー」

われわれは、若い世代へのインタビューを通じて、若者の特徴的なインサイトを明らかにしています。その一つが「安全圏チャレンジャー」という特徴です。今の二十歳前後の若者は、冒険心を持ちつつもリスクヘッジを意識して、極端なレールの枠からはみ出さないように気をつけながら挑戦するという特性があります。その結果、目標達成につまずいても次の目標をすぐに見つけ、将来像のレーンチェンジを行うことができる。それは、今の若者の特徴的なインサイトではないかと考えています。

われわれのメンバーにも当てはまるところがあります。高校から大学までプロのボーカリストを目指していたメンバーがいるのですが、大学2年生の終わりに夢をあきらめ大きな挫折を経験しました。しかし、それほど引きずることなくうまく切り替えて、今は広告会社で働いています。


キッザニアが考える、「キャリア教育」で最も重要なこと

レジリエンス(元に戻る・跳ね返す力)をどう養っていくか

「キャリア教育」において、最も大切なことは何だと考えていますか?

こども達には、仕事の楽しさだけを伝えるのではなく、失敗した時にそれを跳ね返す力、「レジリエンス」を養ってもらうことがとても大切だと考えています。失敗や挫折から立ち直って、新たな道を選ぶことも成功ストーリーとして伝えていく必要があると感じています。

先ほど「Out of KidZania」のお話で紹介したプロ野球チームでの体験プログラムですが、ここでこども達が触れたのは、高校球児として頑張っていたけれどプロ野球選手という夢を叶えられなかった人の挫折経験と、その挫折を乗り越えた人の成功体験なのかもしれません。ここでお会いした球団の職員の方々は、恐らく夢であったプロ野球選手になれず挫折を経験するも、今は形を変えて、大好きな野球に関わっている人たちです。彼らの話を真剣に聞くこども達の姿が、とても印象的でした。

先日、中学生の皆さんとお会いする機会があったのですが、そこでは興味深い発見がたくさんありました。中学生や高校生はまだまだ自由な発想を持っていて、刺激を受けるたびに将来への目標や意識が(良い意味で)影響されやすかったと思います。
そんな彼らを見ていて、明確に将来を見据えている子とまだ何も考えていない子では、大きなギャップがあると感じました。そういう意味では、高校生はキャリアの分岐点にあると言えます。


お話を伺い、われわれが感じた「キャリア教育」の課題

「キャリア教育」の格差が若者の将来像を変える

今回のお話を伺い、キッザニアが考える事業の本質について知ることができました。それは、こども達の「キャリア教育」を体験的なアプローチでかなり意識的に進めているということでした。
また、いろいろお話させていただく中で、こども達の「キャリア教育」の格差、具体的には「キャリア」を考える機会や周囲の働きかけの格差が存在し、大きな課題となっているのではないかと感じました。理想のキャリアが叶わなかった時に、自ら元に戻る力や周囲が戻してあげられる力を養っていく事が、これからのこども達の「キャリア教育」において大切だと感じました。

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