18カラ~ノ

その12

地方で暮らす「若者」ってどうなの?~後編~

2019.03.25

<18カラ~ノ、>では、10代後半の若者が抱く将来像への理解を深めるために、昨年の2月に首都圏在住の若者に対して行ったインタビューに続き、福井に暮らす若者へインタビューを実施しました。

(実施概要)
  • 2018年9月21日(金)、22日(土)の2日間
  • 17才から20才までの福井に暮らす若者へインタビューを実施
(インタビュー対象者)
  • 福井出身で地元の大学へ通う大学1~2年生の男女
  • 同じく福井出身で地元の高校を卒業して就職した社会人1~2年目の男女
  • 福井出身で地元の高校へ通う高校3年生の男女
計3グループへインタビューを実施

今回は、福井出身で地元の高校へ通う高校3年生の男子と女子が抱く将来像について紹介します。

自分自身の将来像をどう考えていますか?

薬学部のある県外の大学へ進学し、薬剤師の資格を取ったら福井に戻る。
  1. 将来は薬剤師になろうと思っている。これまで生活の中で、薬に触れる機会が多く、身近な存在だった。親は薬剤師ではないが薬関係の資格を持っているし、歯科衛生士をやっているのでその影響もある。薬学部が県外にしかないので資格をとったら戻ってきたい。田舎が好き。大きい土地を買ってデカい庭が欲しい。そのためには福井がいい。

海外を含めいろんな考え方を学び、いろんな人を助けられるようになりたい。

なれるかどうかわからないが、公認会計士に興味がある。ファイナンシャルプランナーの母は、公認会計士は企業のことを考えるから、意見が合わないと言っていた。だから、どちらの資格も持っていれば、どんな人でも助けてあげられるのではないかと思った。福井という狭い空間にいるのではなく、いろんな人の考え方を知りたい。だから海外にも結構行きたいと思っている。東京は田舎者の集まりと思っているので、憧れは特にない。東京は住むところではない感じがする。

動物好きで「トリマー」になろうと思う。住むのは人混みのない福井が良い。

動物が好きだから、動物と関わる仕事がしたい。最初は動物看護師になりたいと思っていたが、学校で職場見学があり、お腹を切っている様子などを見て合わないなと思った。今はトリマーになろうと思っている。みんな都会に行っていいなあとは思うし、都会はお祭りみたいな感じで楽しそうだけど、人混みは嫌だから住むなら福井がいい。

進学してもどうせ遊ぶだけ。今の高校は就職が有利なので働くことに決めた。
  1. 自分は就職を考えていて、もう一次入社試験が終わった。化粧品の製造会社に行く予定。化学メーカーに決めて、何をするかは知らなくて行ってみたら化粧品を作る部門だった。できれば進学したかったが頭が悪すぎて、通っている学校は就職に有利なので、大学に行ってもどうせ遊んでしまうから働いて稼ごうと思い、就職することに決めた。

県外の学校がダメで、今は料理人になるために調理師学校へ進むか迷い中。

今はもう諦めてしまったけど、本当はレントゲン技師になりたかった。資格の取れる学校が県外にしかなく、ダメと言われた。仕方なく、医療ともう1つの希望だった料理を比べて、料理の方を選んだ。離婚した父のいる石川で、居酒屋へ行ったときにおいしかったから。調理師の学校へ行こうとしたらバイト先の店長から、1年だけだからお金を払って行く意味がないと言われ、今は、学校へ行くかどうか、めっちゃ迷っている。

将来は経営者が目標。大学は県外だが戻って起業し、地方を活性化させたい。

将来は経営者になりたいと考えている。自分は人に言われてやるのが好きではない。「自分ならこうするのに」という思いがある。それだったら自分が上に立ちたいと思った。大学が県外なのでまずは福井を出るが、ゆくゆくは戻ってきたい。福井で起業し地方を活性化させることをやりたい。東京はたまに行くからいいのであって住みたい訳ではない。東京へ行くなら、海外に行きたい。

まとめ

福井出身で地元の高校へ通う高校3年生男女の将来像は、目の前の就職先のことから、大学卒業後の大きな目標まで、様々であった。ただ共通しているのは、具体的なイメージをそれぞれがシッカリと持ち、そのために自分が何をするべきかを考え、進路を決めようとしている点であった。

これは、先に紹介した大学生と比べて差が見られた点である。大学生たちは、具体的な将来像をイメージしてそれに向け努力している人も見られたが、一方で、将来についてどういった道に進めばよいのかイメージが持てていない人も見られた。社会へ出るという就職組と、将来の職をイメージしながら進学先を決めている、高校3年生というタイミングが影響していると思われるが、意識の高さが顕著であった。

この傾向は、首都圏でインタビューしたときにもあった特徴で、今の高校3年生の置かれた状況を表していると考えられる。大学進学がモラトリアムとして猶予を与えられた期間ではなく、社会へ飛び立つ上で重要な決断期になっていると言える。

また、この世代の声を聞いていて顕著だったもう1つの特徴が、地元福井に対する愛着である。進学先は学部の関係で県外へ一時的に出るが、その先は再び地元へ戻りたい、さらには地方を盛り立てて行きたいといった声が聞かれた。就職組についても、県外へのことさら強い憧れや意向は聞かれなかった。

逆に、東京は地方出身者の集まりであるという声や、東京で学ぶくらいなら海外へ進出したいといった声があげられ、東京を特別視するような意識はなく、自身のライフスタイルや将来の目標と照らし合わせて意見を述べているのが印象的であった。

今回の福井でのインタビューを通じて、改めてWEBを中心とした若者メディアは都市と地方の垣根をなくし、生活へ求めることの違いから生活拠点を選ぼうという冷静な意識が見られたと思う。

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