18カラ?ノ

その1

18才からの「若者」って何者だ?

2018.06.19

今の18才は、
「新しい若者世代」

昨今、若者世代を「ミレニアルズ」と括り、行動特性などを説明するケースが見られます。しかし、「ミレニアルズ」は2000年代に成人を迎えた世代を指し、一般的には1980年生まれ以降が該当します。18才の若者世代にフォーカスしたい私たちにとっては、「ミレニアルズ」は調査対象ではなくなっています。

一方、アメリカでは2000年前後に誕生した世代を「センテニアルズ」と呼び、日本の「ゆとり世代」の次の世代に当たります。

<18カラ~ノ>では、この2000年前後に誕生した世代を「新しい価値観を持った若者世代」として区分し、その実像に迫っていきます。


18才からの若者は、「超」がつく安定志向。

「若者」というと、上の世代がつくった今の社会に対して批判的になる印象が強いかもしれません。しかし、18才からの若者たちは、今の社会に対して非常に肯定的です。

18才からの若者たちは「バブル景気」や「就職氷河期」をあまり知らず、「ITバブル」や「リーマンショック」も小学生までの出来事。
それよりも、アベノミクスや2020年東京五輪開催決定、先輩たちの超売り手市場の就活事情など、近年は、若者にとって明るく前向きなニュースが多い時代でした。したがって、今の安定した社会や景気を無理に変革することのリスクよりも、現状維持したいという意識が高いのです。


18才からの若者は、「超」がつく安定志向。

18才からの若者たちにとって否定的な言葉の1つが「ブラック企業」。今の時代に安定感を感じている彼らが最も恐れているのが、その安定から踏み外してしまうこと。一歩間違えるとどん底まで落ちて戻ってこられないのではないかというリスク意識なのです。

とは言え、やはり「夢」を持ち、それにチャレンジしたいと考えている18才からの若者たちも少なくありません。
リスクは取りたくないが、安定から外れない中で、チャレンジしたいと考えています。その1つの象徴が大学という存在です。

彼らにインタビューして口を揃えていたのが、どんなに「夢」にチャレンジしている人でも、「大学だけは卒業しておかないと」という保険でした。また、もう1つよく口にしていたのが、「今の日本は転職がしづらいから、しっかり考えて就職しないと」という意見でした。

「夢」があっても、リスクヘッジはしっかり備える。「夢」がなければなおさら、「就職」という安定の土台をしっかり築く。これこそ、彼らが自分たちの将来を見据えた時に感じる、現状の社会システムへの評価なのです。その意味では、彼らは将来に対して決して楽観的とはいえないでしょう。

ホワイト企業に入って楽しく暮らしたい。プライベートは好きなことに費やす。残業がなくてお金はちゃんともらえる企業に入りたい。

18歳 高校3年女子 18歳 高校3年女子
18歳 高校3年女子 18歳 高校3年女子

職場は人間関係が怖いイメージがあるので、それを乗り越えていけるような環境のところに行きたい。自分の意見を言えなかったり、言うことを聞かなかったら仕事がなくなったりという怖いイメージがある。

ブラック企業にだけは絶対就職したくない。

18歳 高校3年男子 18歳 高校3年男子

普通に就活して就職して普通に暮らしたい。テレビで夢を追いかけて失敗しましたという人を見て、ああはなりたくないなと思って。
失敗してもなんとかなるとはあまり思えない。

19歳 大学1年女子 19歳 大学1年女子

18才からの若者は、生き方の「ロールモデル」を探す。

そんな将来への見通しがハッキリしない彼らが頼りにするのが、生き方のロールモデルと呼べるような先行事例。例えば、18才から20才までの若者たちのインタビューでは、こんな話がありました。

母親は若い頃に1年間留学していた。その影響があって私も英語が好き。将来は英語の教員になるのが夢。

父親は外資系企業に勤めていて、母の妹が通訳をしている。そういうのを見てかっこいいなと思う。自分はバッグ1つで海外へフラッと行けるようになりたい。海外で勤めるのもアリかなと思う。

家が自営業で、自分もお店を持ちたいと思っていた。
だから大学も経営学科を選択した。料理をよくしていたので洋菓子店が夢だった。

一番身近な生き方のロールモデルは、やはり両親。 幼い頃から強い影響を受け、自分自身が成長できていることが、成功の何よりの証。前向きな目標になりやすい背景には、自己肯定を含んでいるのです。また、その影響は両親だけでなく、叔父叔母、祖父母にも及んでいます。

叔父は料理人で料理好きはその影響。
叔母がヨーロッパ好きで小さい頃から話を聞いていた。その影響でドイツの勉強をしている。

おじいちゃんは絵が好きで、趣味で描いているのを一緒に見たり描いたりしているうちに自分も好きになった。

カッコイイおじいちゃんになりたい。自分のおじいちゃんは舘ひろしに似ている。パッと見かっこよくて自分もそうなりたい。

一方で、一反面教師としてのロールモデルも存在します。 兄妹は年齢も近く、同じような状況を先行して経験していることから、失敗を回避する際の参考として意識が働いているようです。また、バイト先の先輩など身近な人の成功体験はポジティブな影響も与えています。最後のコメントでは、テレビドラマで見た「出来る外交官」に憧れを感じたことが、自分自身の目標設定に影響を与えています。

姉は今大学2年生なのに将来のことなどしっかり考えていない。
そうはなりたくないので今から企業の採用情報を検索して見たりしている。

バイト先で仲良かった年上の人が、IT企業へ転職した。話を聞いていて自分も何かを作る仕事がしたいという気持ちになった。
将来はすごく仕事のできる人になりたい。小さい頃に外交官黒田耕作というテレビドラマを見て、すごくかっこよかった。自分もそういう人間になりたい。

これら 身近な人の体験は、職業観だけでなく家族観や結婚観にも強く影響を与え、特に自分自身の家族像を前提に結婚へのイメージを膨らませている様子がうかがえました。

お母さんは25才で結婚して若い母親だったので、お姉ちゃんと3人で友達みたいな関係。
自分も子どもと同じような関係になりたい。
私の母親は高齢出産だった。自分は早めに家庭を持って子どもを産み、若い母親になりたい。

このように、今の日本には共通した生き方、働き方のロールモデルは存在しないとも言えますが、家族を代表とする身近でリアルな先行事例に強く影響を受けています。 18才からの若者たちにとって、自分たちなりの「生き方のロールモデル」になっているのです。
※インタビューは2018年2月9日・10日に実施

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